「世界の神々」がよくわかる本

「世界の神々」がよくわかる本 ゼウス・アポロンからシヴァ、ギルガメシュまで (PHP文庫)

「世界の神々」がよくわかる本 ゼウス・アポロンからシヴァ、ギルガメシュまで (PHP文庫)


ペガサス幻想が歌える聖闘士星矢世代がギリシャ神話を知らないなんて言わせない。


僕らは海の向こうの神話の神様が好きだ。どれも強く、かっこいい。あるいは美しい。
そして杖の先で地面を一突きすると大地震を起こし敵を一掃できる。大きな翼をはばたかせ、鋭い剣を持って敵に切りかかる。手のひらをかざすと後光がさす。きっと神話の中ではそんな感じでかっこよく素敵な姿が語られているに違いない。

・・・とそんなイメージを持ってさらにかっこいい神様たちの姿を知ろうとこの本を手に取ると、後悔するかも知れません。


ギリシャ神話、北欧神話ケルト神話、インド、メソポタミア、、どの神話の神々も得てして嫉妬深い。特に上位であったり有名であったりする神ほど嫉妬深く、いきなり幻想を汚されます。あいつのほうが強い、美しい、、だから嫌がらせをする。だから、殺す!だから、、食べる!!
気に入らないやつには執拗な嫌がらせを繰り返すし、腹黒で狡猾、常に上の席を狙うやつもいます。親子喧嘩は戦争並み。まぁ器の小さい人等が憎み憎まれ、ドロドロとした昼ドラのような世界を繰り広げているのでした(いいすぎ?)。
ああ、おまけに好色で近親とかお構いなし、ついには相手は人型じゃなくってもよくなって、その上正しい場所から子供が生まれることのほうが少ない感じでもう理想の神様たちはどこへやら。


しかし確かに彼らはそれぞれ神として役割を持っていて、強そうな神は強い活躍をしていました。誰よりも賢い神は賢く、誰よりも美しい神は美しく。一応、理想の一部は守られました。


こんな感じでこの本にはそれぞれの神の様々なエピソードが満載で、なかなか面白いです。そしてこの本では神話ごとに、メジャーな神からマイナーな神へと紹介されていくのですが、マイナーな神は文庫本の1ページにそのエピソードが収まってしまっています。1神様が1ページの状態で連続して紹介されていく様がなんか面白いです。


でもそんな神達の紹介よりも、個人的には各神話自体の成り立ちだとか、その神話の世界の説明とかをしてくれていたところを気に入りました。しっかしとベースになる世界があるから神々もそれぞれに役割を持って、お互いに関係しながらそれぞれの活躍ができているんですね。多分、存在しないはずの人たちなんで、彼らの活躍は想像です。そうだとするとこんな広い世界を想像で作り上げた古代の人達を尊敬します。


仕事には役に立ちませんが、たまに出せるネタにいろんな神を知ってみたければ、よい本だと思います。




以下余談です。


個人的にはやっぱりなぜか北欧神話が好きです。半年くらい前にXBOX360TOO HUMANというゲームをプレイしたのですが、これは北欧神話をベースにした物語を持つゲームで、そんなところに興味を持って購入しました。当時は数名の神の名前くらいしか知らなかったのですが、今回読んだ本でストーリーの内容やキャラクターの背景、敵味方の関係が本当に北欧神話なんだとあらためて感心しました。
ゲームでは神話の神々の名前が敵や味方で結構使われています。このゲームも興味を持ちながらもその程度、、、かな?と思っていたのですが。。またプレイしたくなりました。


1月は映画、アバターラブリーボーンを見ました。
2月は下旬に「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」が公開されます。この映画はオリンポスの神々・・・と人間の子供であるデミゴッドと呼ばれる半神半人の少年達が活躍するファンタジー映画です。さすが好色で悪癖を持つギリシャ神話の神達、人間とも交わってます。見ようかなと検討中です。